何を象徴する神か
八咫烏(やたがらす)は、日本神話に登場する神聖な三本足の烏であり、太陽の象徴として崇拝されています。また、導きや道案内の象徴でもあり、正しい道を示す存在とされています。八咫烏は天照大神(あまてらすおおみかみ)や神武天皇に仕えたとされ、神聖な力を持つ使者としての役割も果たしています。同時に太陽の化身ともされています。
古事記での神話
『古事記』では、八咫烏は天照大神の使者として登場します。天照大神が弟の須佐之男命(すさのおのみこと)の暴れを鎮めるために岩戸に隠れた際、八咫烏はその場に居合わせ、他の神々とともに天照大神を外に出すための策を講じました。八咫烏はその聡明さと知恵を発揮し、天照大神の帰還を助けました。
日本書紀での神話
『日本書紀』では、八咫烏は神武天皇の東征において重要な役割を果たします。神武天皇が大和国(現在の奈良県)に向かう途中、道に迷い困難に直面しました。その時、天照大神の命を受けた八咫烏が現れ、神武天皇一行を正しい道へと導きました。この神話は、八咫烏が道案内の象徴としての役割を持つことを強調しています。
持ち物
八咫烏自体は特定の持ち物を持たないが、その姿や存在そのものが神聖視されています。八咫烏は天照大神の使者としての象徴的な存在であり、その三本足と黒い羽根が特に注目されます。
能力
八咫烏の能力は以下の通りです:
- 道案内の力:八咫烏は正しい道を示し、迷った者を導く力を持っています。神武天皇の東征においてその力を発揮しました。
- 神の使者としての力:八咫烏は天照大神や他の神々の使者として、重要なメッセージを伝える役割を果たします。
八咫烏の「導く力」に願いが込められた例としては、日本サッカー協会のシンボルマークが有名です。八咫烏のシンボルマークは実は1931年から採用されており、現在でも日本サッカー協会はワールドカップの前には八咫烏を祀っている熊野三山で必勝祈願を行っている。
性格
八咫烏の性格は以下のように描かれます:
- 聡明さ:八咫烏は知恵と洞察力を持ち、困難な状況でも正しい判断を下すことができる存在です。
- 忠誠心:八咫烏は天照大神や神武天皇に対して忠実であり、その使命を全うすることに専念します。
外見
八咫烏の外見は以下のように描かれます:
- 三本足:八咫烏は三本の足を持つ烏として描かれます。三本足は神聖さと特別な力を象徴しています。
- 黒い羽根:八咫烏は黒い羽根を持ち、その神秘的な外見が強調されます。
大きさ
「八咫烏」という言葉にふくまれる「咫(あた)」は長さをあらわす単位です。片手の親指から中指までを広げた長さ(約18センチ)のことであり、八咫だと144センチとなるが、八咫烏の八咫は「大きい」という意味あいとされている。
八咫烏が3本足の理由
八咫烏の多くは足が3本ある姿で描かれる。しかし実は古事記や日本書紀には3本足であるという記述は無い。八咫烏が3本足であるという記述が登場するのは平安時代に書かれた「倭名類聚抄」という書物であり、この頃に八咫烏が中国や朝鮮の伝承の鳥「三足烏(さんそくう)」と同一視され、三本足になったと思われる。
そして3本足である理由は諸説ある。
熊野本宮大社では3本の足が「天」「地」「人」を現しており、すなわち神も自然も人も、同じ太陽からうまれたこどもであることを現しているという。
また他の説としては、太陽神に仕える日女(姫)神を祭る神社の神紋が「三つ巴」であり、それと同じ意味を持たせているという説もある。
強さ
八咫烏の強さは以下の点にあります:
- 導きの力:八咫烏は正しい道を示し、迷った者を導く力を持っています。これにより、多くの神話で重要な役割を果たします。
- 神の使者としての力:八咫烏は天照大神の使者として、重要なメッセージを伝える力を持っています。
弱点
八咫烏の弱点としては、以下の点が挙げられます:
- 神聖な存在としての制約:八咫烏は神聖な存在であるため、その力を発揮するには神々の意志に従う必要があります。
信仰
八咫烏は日本全国で広く信仰されており、特に以下の場所で崇拝されています:
- 熊野本宮大社:熊野地方にある神社で、八咫烏を祀っています。熊野本宮大社は八咫烏が導いたとされる神武天皇の伝説に深く関わっています。
- その他の神社:多くの神社で八咫烏が祀られ、導きの神として信仰されています。
血縁・親子関係
八咫烏の血縁関係については、特に記述はありません。彼は天照大神の使者としての役割が強調されており、親子関係についての神話は存在しません。
生まれ方
八咫烏の生まれ方についても、特に明確な神話は存在しません。彼は神聖な存在として、天照大神や他の神々に仕える使者として登場します。
特筆すべきエピソード
神武天皇の東征
八咫烏の最も著名なエピソードは、神武天皇の東征における道案内です。神武天皇が大和国に向かう途中、道に迷い困難に直面しました。その時、八咫烏が現れ、神武天皇一行を正しい道へと導きました。このエピソードは、八咫烏が道案内の象徴としての役割を持つことを強調しています。
最終的にどうなったか
八咫烏はその後も天照大神や他の神々に仕える使者としての役割を続けました。彼の存在は、日本神話において重要な役割を果たし続けています。八咫烏の導きの力や神聖さは、現代でも多くの人々に信仰され、祭りや儀式で崇拝されています。
出演作品(アニメ、映画、ゲーム、漫画)
八咫烏は多くの現代メディアでも取り上げられています。以下はその一部です:
アニメ
- 「NARUTO -ナルト-」:このアニメでは、八咫烏をモチーフにしたキャラクターが登場します。
- 「鬼滅の刃」:八咫烏を彷彿とさせる烏が、鬼殺隊の伝達係として登場します。
映画
- 「天の川のアニメーション」:八咫烏が冒険を通じて主人公を導く物語が描かれています。
ゲーム
- 「大神」:カプコンが制作したアクションアドベンチャーゲームで、八咫烏をモチーフにしたキャラクターが登場します。
- 「ペルソナ」シリーズ:八咫烏をモデルにしたペルソナが登場し、プレイヤーの助けとなります。
漫画
- 「八咫烏」:八咫烏を主人公にした漫画で、彼の冒険や神話に基づいたストーリーが展開されます。
これらの作品は、八咫烏の神聖さと導きの力を現代の観客に伝えるために作られています。八咫烏の物語は、日本の文化や伝統に深く根付いており、その影響は現代でも続いています。
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