ジブリにも登場した祟り神(タタリガミ)の能力や強さ、エピソードを解説【日本神話】  

何を象徴する神か

祟り神(たたりがみ)は、怒りや怨念を持ち、その力で災いをもたらす神として日本神話や民間伝承に登場します。祟り神は通常、無念の死を遂げたり、不遇の末路を辿った人物や神が変化した存在とされ、その怒りや怨念を鎮めるために特別な祭祀や儀式が行われます。祟り神は恐ろしい存在として畏れられていますが、同時に適切に祀られることで、守護神や幸福をもたらす存在に変わるとも信じられています。

古事記での神話

『古事記』には多くの神話が記されていますが、特に祟り神として恐れられる神の一例として、大国主命(おおくにぬしのみこと)に関連する神話が挙げられます。彼の子であるスサノオの娘のスクナビコナノカミ(少彦名命)が病気を治す神である一方、その怒りが神々や人々に災いをもたらす祟り神としても描かれています。スクナビコナノカミは、海を渡る際に病気になり、最終的に国造りを助ける神として崇められましたが、その怒りは恐ろしい災厄をもたらすとされました。

日本書紀での神話

『日本書紀』でも祟り神に関連する神話が記されています。例としては、崇神天皇の時代に疫病が流行し、多くの人々が亡くなったという記述があります。この疫病の原因は神の怒りであり、崇神天皇はその怒りを鎮めるために、多くの祭祀や儀式を行ったとされています。このように、神の怒りを鎮めるために特別な措置が取られるというのは、祟り神の特徴的なエピソードです。

持ち物

祟り神は特定の持ち物を持つことが少ないですが、以下のような象徴的な物が関連することがあります:

  • 神器:怒りや怨念を持つ神々が使用する神器や武器。これらは彼らの力を象徴するものとして描かれます。
  • 呪符:祟り神を鎮めるための呪符や護符。これらは神の怒りを和らげ、災厄を防ぐために使用されます。

能力

祟り神の能力は以下の通りです:

  • 災厄をもたらす力:祟り神はその怒りや怨念を通じて、病気、自然災害、不幸などの災厄を人々に与える力を持ちます。
  • 治癒の力:一部の祟り神は、適切に祀られることで、病気を治す力を持つと信じられています。彼らの怒りを鎮めることで、逆に幸福や繁栄をもたらす存在に変わります。

性格

祟り神の性格は以下のように描かれます:

  • 怒りっぽい:祟り神は怒りや怨念を持ち、その感情が強く表れます。彼らの怒りが災厄を引き起こす源となります。
  • 不安定:祟り神の感情は不安定で、些細なことで怒りを爆発させることがあります。そのため、常に彼らの機嫌を取る必要があります。

外見

祟り神の外見は、恐ろしい姿や異形の姿で描かれることが多いです。以下の特徴が一般的です:

  • 恐ろしい表情:怒りや怨念を表すため、恐ろしい表情をしています。
  • 異形の姿:異形の姿をしていることが多く、通常の人間とは異なる身体的特徴を持っています。

強さ

祟り神の強さは以下の点にあります:

  • 災厄を引き起こす力:彼らは強力な災厄を引き起こす力を持ち、その力は広範囲に及びます。
  • 恐れられる存在:祟り神はその強力な力と恐ろしい姿のために多くの人々から恐れられます。その存在は人々に強い影響を与えます。

弱点

祟り神の弱点としては、以下の点が挙げられます:

  • 適切な祭祀による鎮静:祟り神は適切な祭祀や儀式によってその怒りを鎮めることができます。これにより、彼らの力を制御することが可能です。
  • 信仰の変化:祟り神は信仰の対象として適切に祀られることで、その力が弱まることがあります。

信仰

祟り神は日本各地で信仰されています。以下のような形で信仰されています:

  1. 神社:祟り神を祀る神社が多く存在し、そこで特別な祭祀や儀式が行われます。
  2. 地域の祭り:祟り神を鎮めるための祭りが行われ、地域の人々が参加します。
  3. 護符やお守り:祟り神の怒りを鎮めるための護符やお守りが作られ、信仰の対象とされます。

血縁・親子関係

祟り神の血縁・親子関係は神話によって異なりますが、以下のような例があります:

  • スサノオの子孫:スサノオの子孫であるスクナビコナノカミが祟り神として信仰されることがあります。
  • 地元の英雄:特定の地域で英雄として崇められ、その死後に祟り神として信仰されることがあります。

生まれ方

祟り神の生まれ方は神話によって異なりますが、以下のような例があります:

  • 無念の死:無念の死を遂げた者が祟り神として変化することがあります。
  • 神々の怒り:神々の怒りによって生まれた存在が祟り神となることがあります。

特筆すべきエピソード

菅原道真の怨霊

菅原道真(すがわらのみちざね)は平安時代の学者であり、政治的な対立から左遷され、無念の死を遂げました。その後、彼の怨霊が京都に災厄をもたらすという伝説が生まれました。道真の怨霊を鎮めるために、北野天満宮が建立され、彼は天神(てんじん)として神格化されました。現在も多くの人々が彼を学問の神として崇敬しています。

最終的にどうなったか

祟り神は適切に祀られることで、その怒りを鎮め、災厄を防ぐ存在となります。多くの祟り神は神社に祀られ、地域の守護神として信仰され続けています。祟り神の信仰は、彼らの力を恐れると同時に、彼らの怒りを鎮めるための祭祀や儀式を通じて、地域の平和と繁栄を守る役割を果たしています。

出演作品(アニメ、映画、ゲーム、漫画)など

祟り神は現代の多くのメディア作品にも登場し、その恐ろしい力と神秘的な存在が描かれています。以下に、代表的な作品を紹介します。

アニメ

  1. 「地獄少女」
    • 概要:怨念や祟りに関連するエピソードが多く描かれるアニメで、祟り神のような存在が登場し、人々の怨みを晴らす物語が展開されます。
  2. 「もののけ姫」
    • 概要:自然の神々と人間の対立を描いたアニメ映画で、祟り神のような存在が登場し、その力と恐ろしさが描かれています。

映画

  1. 「リング」
    • 概要:怨霊が登場するホラー映画で、祟り神のような怨念の存在が描かれています。この映画は祟りの恐ろしさを現代的に表現しています。

ゲーム

  1. 「陰陽師」
    • 概要:陰陽師を題材にしたモバイルゲームで、祟り神や怨霊が多数登場し、プレイヤーは彼らを鎮めるために戦います。
  2. 「Nioh」シリーズ
    • 概要:戦国時代を舞台にしたアクションRPGで、祟り神や怨霊が登場し、プレイヤーは彼らと戦いながら物語を進めます。

漫画

  1. 「うしおととら」
    • 概要:妖怪や神々が登場する漫画で、祟り神のような存在が描かれ、主人公と対峙するシーンが多くあります。
  2. 「鬼滅の刃」
    • 概要:鬼と人間の戦いを描いた漫画で、鬼が怨念や祟りの象徴として描かれ、祟り神のような恐ろしさが表現されています。

まとめ

祟り神は日本神話や民間伝承において、恐ろしい力を持ち、災厄をもたらす存在として描かれています。彼らは無念の死や神々の怒りから生まれ、その怒りを鎮めるための祭祀や儀式が行われます。適切に祀られることで、守護神や幸福をもたらす存在に変わることもあります。祟り神の物語は現代の多くのメディア作品でも取り上げられ、その神秘的な力と恐ろしさが描かれています。

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