クーフーリン

アルスター神話最大の英雄で、赤枝騎士団の騎士。別名は「クランの番犬」「クー・クラン」。セタンタという幼名で呼ばれる頃から、人並み外れた強さを示していた。黒髪とグレーの瞳をもつ、小柄で美しい青年として描かれている。

しかし、ひとたび暴力に取り憑かれると髪の毛が逆立ち口は裂け、片方の目が脳の中に、もう片方 の目は頻まで垂れ下がり、筋肉がぼこぼこと膨れ上がった恐ろしい姿になるという。

クーフーリンの持つ魔槍ゲイボルグ

海獣の骨からつくられたものとされる槍で、影の国の女王スカアハから譲り受けた。魚の漁に使う銛のようになっており、刺し貫いて相手の体内に入れりの破裂するように広がったという。扱いは非常に難しく、真の強さを発揮するには足の指でもち、そのまま足で蹴るように投げつける必要があった。

そのため、ゲイボルグを扱えるのはクーフーリンをはじめ、ごく限られた者だけだったとされている。

クーフーリンにまつわる伝説「クーリーの牛争い」

アイルランド最大の英雄と名高いクー・フーリン。魔槍ゲイ・ボルグをはじめ数々の武器を使い、輝かしい伝説を残している。

特に有名なのは「クーリーの牛争い」で、コナハト女王メイヴがアルスターに侵攻した時、コナハトの大軍をたったひとりで食い止める活躍を見せた。


その強さは、幼い頃から備わっていたと伝わっている。ある日、鍛冶屋のクランを訪ねた際にその番犬がクー・フーリンに襲いかかった。クー・フーリンは、その獰猛な番犬を返り討ちにするが、それを申し訳なく思い犬の代わりに自分が番人となることを誓った。このことから、クランの番犬という意味をもつ「クー・フーリン」という名で呼ばれるようになったとされている。


現代でも人気は高く、ゲーム作品などで扱われることも多い。「真・女神転生』シリーズでは常連キャラクターとして、『Fate/GrandOrder」では長い槍の似合う、青髪の美青年として描かれている。多くのタイトルで、強さをもつ心強い味方として描かれる傾向にあるのが特徴です。

クー・フーリンは影の国の女王スカアハのもとで修行しているが、それは実は惚れた女性と結婚するためであった。

彼は美しい娘エウェルを見染め、結婚を申し込む。しかし、結婚に反対するエウェルの父が、修行という名目でクー・フーリンをスカアハの住む影の国に向かわせた。父としてはそのまま死ねばいいと思っていたが、彼は無事に修行を終えて帰還する。修行で得た強さでエウェルの父が率いる軍を倒し、クー・フーリンは彼女との結婚を実現させたのだ。


苦労した末にエウェルと結ばれたクー・フーリンだが、美しく強い彼はよくモテた。修行先の影の国では、スカアハの娘ウアサハと交際した。また、戦いの女神モリガンにも好意を寄せられたが、これをはねつけて恨みを買っている。

さらに、結婚したあとで海神の妻ファンと恋に落ちてしまった。さすがに妻エウェルの怒りを買ったことでファンは身を引き、クー・フーリンは彼女を忘れるために忘れ薬を使わなければならなかった。

女性が放っておかないのも、強く美しい英雄ならではといえる

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